行動しなければ何も始まらない。
海外経験が自分を
変えてくれた。
田口 浩司
Hiroshi Taguchi
海外・国内業務にシンガポール経験を活かす
大手監査法人で国内監査業務に従事した後に東陽監査法人に転職しました。しばらく国内監査業務に携わっていましたが、2019年~2023年の間、Croweのメンバーファームのシンガポール法人であるCrowe Singaporeに4年間出向していました。帰国後は国内監査業務のほか、海外業務ではCroweのジャパンデスク担当として「リファラル業務」にあたっています。
ジャパンデスクとは、各国のCroweのメンバーファームのクライアントが、日本に拠点を設けた際に発生する保証業務の依頼や問い合わせなどを受ける窓口となります。東陽のジャパンデスクは、大きい案件から小さな案件まで、規模感に関わらず受嘱しているのが特徴です。ちなみに私が転職時に東陽を選んだ理由も、大き過ぎず、小さ過ぎない規模感が心地良かったことが決め手でした。
私は、シンガポールに行くまでまったく海外留学等の経験はありませんでした。社会人になった当初は、海外で働くことに特に興味もありませんでしたが、東陽監査法人に転職後、海外関連業務に携わる機会があり、徐々に興味を持ち始めました。そして、いざ行ってしまえば面白さを感じるもの。自分の中に、海外業務という経験が積み重なっていくほど、自信と誇りを感じるようになりました。そして、今では国内監査と海外監査の両方を手掛けていることが自分の強みになっています。国内企業の担当であっても、グローバルに展開されている場合は海外子会社とのやり取りが必要になることが多々あります。海外監査の経験とスキルはもちろん、英語に対する抵抗感もないため、活躍する場面は大いにあります。
日本の常識は通用しないという気づき
海外業務の魅力は大きく3点あります。まず対応する仕事の領域が広がるところ。海外では監査以外の業務も求められたりすることがあり、国内監査では経験できないような業務をたくさんしてきました。
次に、多様な価値観に触れられること。シンガポール人と接する中で、「なるほどそういう考え方をするんだ」「日本の常識はここでは通用しないんだ」と気づく場面が多々ありました。そこがストレスになることもありましたが、「自分の伝え方が間違っていたかもしれない」と考え方を切り替えました。やり方、接し方が分かってくると、とても気持ちがラクになり、仕事が楽しくなりました。
3つめは、現地で出会う日本人とのつながりの深さです。日本では仕事・職種が異なると、なかなか強いつながりは生まれないものですが、現地では普段出会うことのないような日本の方々と知り合い、たくさん話しました。これがとても良い経験になっています。
総じて海外業務経験により視野が広がり、人として成長できることは大きなメリットです。一方で日本の常識は通用しない場面も発生するため、「絶対にこうあるべきだ」といった考え方で相手と接すると衝突が起こります。完璧さを求めず、引くところは引く。そうしたコミュニケーションスキルは、確実に磨かれました。
自ら動かなければ何も始まらない
海外業務では楽観的なマインドを持つことが大切だと思います。
私も最初は不安だらけで心の余裕はありませんでした。前任者がおらず、引き継ぎができない状態だったからです。何をしたらよいか分からない状態でシンガポールに到着しました。それから4年に及ぶシンガポール駐在で、日本人はずっと私一人でした。行動しないと何も始まらない状況で、自分からクライアントに連絡を取って会いに行くといったことが求められました。そうしないと何も進まないからです。次に気をつけたことは、現地の上司が求めていることにしっかり対応すること。上司への報告はきっちり行い、やり取りする中で随時軌道修正していきました。駐在を通し、物事を進めていく馬力が養われたと思います。
インバウンド需要を取り込むジャパンデスク
東陽はますますグローバル展開が進むと思います。昨今、インバウンド需要が盛んなことから、今後、海外の外資系企業は日本市場への進出が増えていくと思われます。日本の拠点に対する「保証業務の提供」といった業務の要請が高まり、ジャパンデスクの存在感が高まっていけば、日本にいながら海外監査業務を経験する機会も増えていくでしょう。
東陽もそして会計士も、新しい成長ステージに向かうと思います。
東陽は、若手に成長の機会を与えてくれる法人です。入ってくる新しい仲間とともに、東陽の活躍の場をさらに広げていきたいと思います。
海外業務の経験は
人間を大きく、
目線を高くしてくれる。
石川 裕樹
Yuki Ishikawa
法人経営もしてきた中国駐在経験
東陽監査法人に入所して4年目、ちょうど万博が開催された2010年9月に中国の「上海」へ渡り、その後、「蘇州」と「成都」へと移りまして、計4年ほどの駐在経験を経て2014年12月に帰国しました。
駐在当時の2010年頃は、日本企業の中国進出が活発であり、現地法人の設立代行手続きから税務申告・記帳代行・監査と日系企業の進出をトータルサポートして欲しいという依頼が増え、中国において日本人会計士の需要が高まっていました。現地では、日系企業の中国子会社に対し、日本の親会社の監査人から送付されるインストラクション(監査指示書)に基づく監査や親会社の監査人に対しレポーティングの実施、又日系企業が現地の中国企業を買収する際に取引をサポートする財務デューデリジェンスやバリューエーションといった業務にも関与しました。駐在員個人の所得税のご相談を受けることもよくありました。
中国内陸にある成都に移った時は、現地法人の総経理、いわゆる社長を2年間務めました。ここでは、現地法人の立ち上げ業務から、クライアント獲得のための営業活動、人の採用、規程の整備等、営業・総務・人事とあらゆる業務を経験しました。
私以外は中国人スタッフという状況の中、今まで経験していない立場での業務だったためプレッシャーは感じましたが、新天地で総経理としてマネジメントすることに大きなやりがいを感じました。
明確な指示と価値観の尊重が大事
中国現地で業務をしてきた中で私が最も感じたのは、日本人公認会計士の希少性から来る絶大な信頼感です。
私が上海に駐在していた頃、現地の日本人会計士は20名ほど。内陸の成都まで行くと、そもそも日本人が200名ほどしかおらず、日本人公認会計士は私1人という状況でした。非常に希少性が高いので、大企業の取締役たちと知り合う機会も多く、監査はもちろん、税務のことなど個人的な相談を受けたり、何かと頼っていただきました。
逆に難しさを感じるのは価値観の違いです。成都では総経理として、中国の人たちを採用しました。その際気をつけたのが、仕事内容と報酬は明確に伝えるということと、相手の価値観を否定せず、指示をしっかり出すことです。中国に限らず、お互いの価値観を尊重し合うことが海外業務ではとても大切なことだと思います。また、現地の行政手続きも日本とはかなり違うので、後になってトラブルに発展しないよう、つねにリスクを考えながら物事を進めるようにしていました。
インバウンド需要という海外対応も
帰国して感じるのは、日系企業がグローバル展開を図り、中国や東南アジアへ進出するといったこととは逆に、外資系企業が日本に進出してくるインバウンド需要が高まっていることです。
一方、日系企業も日本で上場するのではなく、海外市場で上場を目指す会社が増加しており、今後これに関わる海外監査業務の需要が高まっていくことが予想されます。これに対応すべく、東陽でも語学堪能な人材の育成や採用の強化を図っており、職員には海外駐在をしてもらおうと、Croweのメンバーファームへの派遣を積極的に推進していきたいと考えています。
人によって海外業務への向き・不向きがあると思いますが、海外を経験してみたい気持ちが少しでもあれば、細かいことは気にせず、1回チャレンジしてみてはいかがでしょうか。海外業務を経験すれば価値観が変わります。監査業務の全体を俯瞰できるようになり、監査人としての目線も一段と高くなります。
困難なことを乗り越えるやりがいを見出せ、それが積み重なっていけば自分の強みになります。
多様性に触れ、世界を見つめる監査の仕事
振り返れば中国駐在の経験は、自分のキャリアの土台になっています。現在、私はHR戦略部の責任者ですが、人の採用や育成をする上でも現地で経験したことや考え方がとても良い影響をもたらしています。それは「人の多様性こそが、会社が成長するための原動力である」というものです。
東陽にはさまざまなキャリアやバックボーンをもった方たちが働いていますが、今後、インバウンド需要を見込んで、将来的には、メンバーファームから外国人会計士を受け入れることも考えており、当法人はさらに多様な人たちが働く職場になる可能性があります。そうなると、お互いの価値観を尊重し合うことは当然となり、さらに自分の能力や自分らしさというものを強く打ち出す場面も増えてくると思います。東陽のHR戦略は、その高い次元の多様性を目指し、今まさにその土壌を作っている段階と言えます。
東陽には、海外に行きたいと手を挙げれば行ける機会と環境が整っていますので、ぜひ挑戦していただきたいと思います。